部屋が非常に散らかっており汚れも溜まっているような状態を「汚部屋」と呼びます。
いざ、汚部屋を片付けようと思った時は、どこから手をつけたら良いか分からないと感じる方が多いです。
今回の記事では、掃除の手順や必要な用具に関する基本的な知識をまとめました。
汚部屋を掃除したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
汚部屋で生活するデメリット
汚部屋で生活を送っていると、次のようなデメリットがあることを知っておいてください。
部屋でリラックスできない
汚い部屋では整った部屋での生活よりも多くの労力がかかります。
例えば、移動するだけで物を踏んだり必要な物が見つからずに時間を割いてしまったりすることが多いでしょう。
眠る場所もない状態では、毎日の疲れが取れずに体調を崩してしまう可能性があります。
カビや菌類が繁殖する
床やテーブルなどに物が積み上がっている状態になると、十分な掃除ができずに湿気が溜まってカビや菌類が繁殖する可能性があります。
このような状態が続けばカビ・ハウスダストなどが舞い上がり、アレルギーや呼吸器系の病気を発症するリスクが高まります。
害虫が発生する
生ゴミや髪の毛などが放置された状態が続いた場合、ゴキブリ・ダニなどの害虫が繁殖する可能性があります。
自分自身の健康が損なわれるだけでなく、害虫は近隣の住宅にも侵入することから、近隣住民にも迷惑がかかります。
汚部屋を片付けるメリット
汚部屋を片付けるためには、多くの労力が必要です。
しかし、次のようなメリットが得られることを知っておいてください。
- 害虫が出にくくなる
- 嫌な臭いがなくなる
- 部屋でリラックスできるようになる
- 掃除がしやすくなる
- 無駄な買い物が減る
- 部屋の劣化スピードを遅くできる
- 健康的な生活を送れるようになる
- 自分に自信が持てるようになる
- 急な来客にも対応できる
汚部屋掃除は簡単に取り組めるではありません。ただし、労力の分だけ得られるメリットが存在するのです。
汚部屋をレベル分けしてみる
まず、自分の部屋がどの程度のレベルの汚れ具合であるのか考えてみましょう。
【合わせて読みたい記事】
汚部屋レベル1:床が見える
床が見えるレベルの散らかり具合は、まだ片付けのハードルが低い汚部屋だと言えます。
多少の不便はあるものの、通常の生活を送ることに問題はないでしょう。
とは言え、今後状況が悪化する可能性が高いため、すぐに片付けをするべきです。
この段階であれば、数時間の片付けで部屋をきれいな状態に戻せます。
汚部屋レベル2:ゴミが重なっている状態
床がゴミや物で見えなくなり、積み重なっている状態です。
この状態になると、下層部にある物は取り出すことが難しくなります。
さらに、どこに何があるのか把握できていないケースが多いでしょう。
自分での片付けは可能ですが、不用品の分別やゴミの処分に時間がかかります。
汚部屋レベル3:物とゴミが多過ぎて倉庫のような状態
物やゴミが散らばり過ぎており、部屋の移動・日常生活が難しくなったゴミ屋敷の状態です。
この状態まで悪化した部屋では生ゴミの処分も難しくなるケースが多く、害虫やカビの繁殖により健康的な生活が送れなくなっています。
不用品の量の多さや清掃の難易度の高さから、一人での片付けが難しい状態です。
プロに不用品回収・部屋の片付け・清掃まで依頼するべきでしょう。
汚部屋の片付けに必要な用具とは
汚部屋の片付けを始める前には、必要な掃除用具を事前に用意しましょう。
十分な準備を整えておけば、足りない用具を手にいれるために掃除を中断する手間が省けます。
ここでは特に、プロがおすすめする掃除用具をまとめました。
- ゴミ袋
- 殺虫剤
- マスク
- スリッパ・作業靴
- 掃除道具
ゴミ袋
まずは室内から出る不用品をまとめて捨てるためのゴミ袋を用意します。
用意するゴミ袋の量は、部屋の広さや不用品の量によって異なるものの、多めに準備しておくと良いでしょう。
多くの自治体には、自治体専用のゴミ袋でなければゴミを回収しないというルールが存在するため、専用ゴミ袋を購入してください。
軍手
汚れた物や鋭利な物を触る時には、軍手が役立ちます。
軍手は、手の怪我を予防するだけでなく、汚れた手で目を擦ってしまう・食べ物に触れてしまうことで起こる被害を未然に防ぎます。
安価な軍手を購入して、汚れるたびに付け替えると良いでしょう。
殺虫剤
掃除ができていない部屋には、ゴキブリやダニが繁殖しているケースが多いです。
片付け中に害虫が出没して作業が遅れる事態を防ぐためには、片付け前に殺虫剤をまいておくと良いでしょう。
それでも完全に害虫を排除してから掃除をスタートすることは難しいため、手が届く場所に殺虫剤を用意しておいてください。
マスク
掃除中には室内に多くのほこりやカビ菌が舞い散ります。
汚れた空気を吸い込むことで、喉を痛める・鼻水が出るなどの体調不良につながる可能性があるでしょう。
掃除中は可能な限りマスクを着用して、汚れた空気を吸い込まないようにしてください。
また、窓やドアを開けて空気を入れ替えながら作業ができると良いです。
スリッパ・作業靴
足元までゴミが散らばっている住宅を片付けるためには、スリッパや作業靴が欠かせません。
万が一、何かが床で割れてしまっていると、掃除中に足を怪我する可能性があるのです。
汚れても良いスリッパ・靴を着用してください。
掃除道具
掃除道具がなければ、部屋をきれいにできません。汚れている箇所によって必要な道具は変わりますが、以下を参考にすると良いでしょう。
- ほうき
- 掃除機
- タイルや雑巾
- はたき
- ハンディモップ
- 濡れティッシュ
- ビニール紐
- バケツ
- 洗剤
その他にも、掃除に使えそうな道具があれば用意しておいてください。
掃除に使用する洗剤は、汚れの種類によって変更します。
汚れた部屋を片付ける順番とポイント
どこから手をつけたら良いか分からないほど汚れてしまっている部屋を片付ける時には、次の順番とポイントを意識してください。
掃除は入り口から始めて通路を確保する
足の踏み場もないような汚部屋を片付ける時には、最初に玄関・部屋の入り口のゴミを片付けて、掃除が円滑に進むようにします。
汚部屋の掃除では大量のゴミが出るケースが多いです。
玄関や部屋の出入り口を片付ければ、そのスペースをゴミの分別に使えるでしょう。
出入り口のスペースが用意できたら、部屋の奥まで進める通路を用意してください。
床に置いてある物から片付けていく
先ほどのステップで作成した通路を拡張するイメージで、床に置いてある物を片付けていきます。
これまで見えていなかった床が見えてくると、部屋がきれいになっていく感覚を得ながらモチベーションを下げずに掃除を進められます。
迷いなく捨てられる物から処分していく
掃除が進むうちに、「これは捨てようか・捨てるべきではないか」悩む物も出てきます。例えば、しばらく着ていなかった衣類や思い出がある品は、簡単に捨てられるものではありません。
しかし、処分に悩む時間を使うと、掃除が進まなくなってしまいます。
最初に、迷いなく捨てられる物から手をつけて、どんどん不用品を減らしてください。具体的には、食べかす・空き容器・紙ごみなどから処分していきましょう。
処分を迷う物は一旦保留する
明らかなゴミを処分し終わった後は、処分に迷う物の分別に取り掛かります。
しかし、一つひとつの決断に多くの時間は避けません。
かと言って、「全部捨ててしまおう」と考えるのも危険です。
処分を迷う物は掃除が完璧に終わってからゆっくり考えるために、一度保留しても良いでしょう。
「処分保留ボックス」を作れば、不要・必要について悩む時間を後回しにできます。
ゴミを分別する
ある程度不用品がまとまったら、ゴミを燃えるゴミ・燃えないゴミなどに分別します。
多くの地域ではゴミを捨てられる曜日がゴミの分類によって異なるため、分別をしてからゴミの収集日を待ちましょう。
ゴミの分別方法が分からない時には、暮らしている自治体の公式サイトを確認すると良いです。
必要な物を収納していく
不用品が片付いた後は、必要な物を収納スペースに仕舞っていきます。
よく使う物は出し入れしやすい場所に置くことが大切です。
この機会に、収納を見直し散らからない部屋を実現できるようにすると良いでしょう。
理想的な収納については、以下のポイントを参考にしてください。
- 使用頻度が高い物は出し入れしやすい場所に置く
- 使用する場所に近いところに物を収納する(キッチン用品はキッチンになど)
- 収納は詰め込み過ぎずに余裕を持つ
- 細かなルールを決め過ぎず大まかな収納を意識する
収納についての細か過ぎるルールを設定すると、片付けのハードルが上がってストレスを感じてしまう可能性があります。
例えば、「ハサミは棚の二番目の引き出しの一番手前の小物入れに入れる」というルールよりも「文房具は棚の二番目の引き出しに入れる」というルールの方が、ストレスなく守れるでしょう。
掃除をする
不用品がなくなり必要な物が収納に仕舞われた状態になった後に、部屋の掃除を始めます。
特に、掃除ができなかった期間が長かった汚部屋は汚れが蓄積してしまっている可能性があります。
専用の洗剤を使って汚れをきれいに落とせるようにしてください。
汚部屋の片付けで処分するべき物
汚部屋を片付ける時には、次のような物は積極的に処分しましょう。
包装紙・箱・紙袋
必要になる機会がある可能性を考え、包装紙・箱・紙袋などを保管している方もいます。
しかし実際には活用機会は少なく、ただ物が溜まってしまうケースが多いのです。
さらに、これらの紙製品はカビやすいです。どうしても残したいと思っている方は、残す量を決め、他の包装紙・箱・紙袋は処分しましょう。
雑誌・カタログ
定期的に購入している雑誌・カタログなどは、処分の機会を逃すとどんどん溜まってしまいます。
雑誌・カタログもカビやすいため、早めに処分しましょう。
多くの自治体では、雑誌・カタログ・本などの紙製品を資源回収日に回収しています。
自治体のルールに従って処分できるようにしてください。
一人で汚部屋掃除をする自信がない時にはどうする
汚部屋の掃除には多くの時間と労力が必要です。
一人で汚部屋掃除をする自信がない方は、次のような方法を検討すると良いでしょう。
友人・家族に手伝ってもらう
自分が汚部屋の片付けに困っている事実を友人や家族に伝え、手伝ってもらいましょう。
汚部屋は、対応が遅くなればなるほど難易度が上がるものです。
早い段階で友人や家族にサポートしてもらい、片付けの作業負担を軽くしましょう。
便利屋・清掃業者に部屋の片付けを依頼する
汚部屋の片付けには多くの労力と時間が必要ですが、助けを求められる相手がいない・恥ずかしくて頼めないと感じる方は、プロに掃除を依頼すると良いでしょう。
清掃業者や便利屋は、プロのテクニックを活用して短時間で部屋を片付けられるのです。
ただし、便利屋の中には部屋の片付けが得意分野ではない業者もあるため、業者選びは慎重に行いましょう。
不用品回収業者に部屋の片付けを依頼する
不用品回収業者は不用品を回収することを主な仕事にしていますが、部屋の清掃をオプションメニューで扱う会社が増えています。
粗大ゴミなど大きめのゴミの回収にも慣れているため、ゴミの量が多い方におすすめのサービスです。
また、不用品回収業者には、不用品の中の価値がある物を買い取ってくれる業者もあります。
自分で汚部屋掃除をする・プロに依頼するメリットとデメリット
汚部屋掃除を自分でするべきか・プロに依頼するべきか悩んでいる方は、以下の表を参考にしてください。
メリットとデメリットを正しく把握することで、自分にぴったりの手段が分かるでしょう。
清掃方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自分で掃除する | ・経済的 ・掃除の大変さを知ることでリバウンドしにくくなる | ・気力・体力・時間が必要 ・挫折する可能性がある ・プロのように綺麗に掃除できない ・掃除のせいで体調を崩す・怪我をする可能性がある |
プロに掃除を依頼する | ・早く掃除が終わる ・綺麗に仕上がる ・体力的な負担がない | ・費用がかかる ・掃除の大変さが分からずリバウンドリスクが上がる |
汚部屋の掃除にプロを使うべき人の特徴
汚部屋の片付けは自分自身でもできます。
しかし、次のような特徴を持つ方は、プロに片付けや清掃を依頼するべきでしょう。
早く確実に部屋を片付けたい方
部屋をきれいな状態にしなければいけない日付が決まっている場合には、確実かつ期日までに片付け・掃除を済ませなければいけません。
プロに依頼をすれば、長くても数日で部屋を完璧な状態にしてもらえるのです。
例えば、「親や友人が訪問する日までに部屋をきれいにしなければいけない」時には、プロに掃除と片付けを任せるべきです。
ゴミの量が多過ぎる場合
部屋からゴミが溢れ出すほどの量になっている場合は、不用品を全て処分することのハードルが高くなります。
一人でゴミを分別・ゴミ収集日にゴミ収集所まで持ち込む作業には、多くの手間がかかるでしょう。
業者にゴミ回収を依頼すれば、一度にゴミを回収してもらえるだけでなく、分別まで任せられます。
不用品を買い取ってもらいたい時
不用品の中に価値がある物が混ざっている場合には、買取サービス付きの不用品回収業者を選びましょう。
買取サービス付きの業者は不用品回収の費用と買取費用を相殺してくれるため、汚部屋清掃にかかる費用を少なくできます。
害虫駆除が必要な場合
部屋で害虫が繁殖している時には、専門業者に害虫駆除を依頼するべきです。
害虫駆除には、特別な薬剤が必要になります。
汚部屋掃除を依頼する業者の選び方
汚部屋掃除を依頼する業者を選ぶ時には、以下のポイントをチェックしてください。
ゴミ屋敷や汚部屋の掃除の実績が豊富
不用品回収業者・便利屋・清掃業者には、得意分野と不得意分野があります。
業者の公式サイトで過去の実績を確認し、ゴミ屋敷・汚部屋清掃の実績が豊富な業者を選びましょう。
実際の利用者の口コミを確認する
口コミサイトやGoogle Mapなどを活用して、実際に業者を利用した方の口コミを確認します。
さまざまな種類の口コミを満遍なくチェックしましょう。
ゴミを違法処分していないか確認する
中には、回収したゴミを正しい方法ではなく違法処分している悪質な業者も存在します。
そのような業者は、利用者から不用品処分費を徴収しておき、回収したゴミを山など人気がない場所に不法投棄してしまうのです。
違法処分を防ぐためには、一般廃棄物収集運搬許可証を所持しているか・許可業者と提携しているかを確認すると良いです。
正確かつ細かな見積もりを作成してくれる
悪質な営業をしている業者は、作業完了後に追加の費用を請求することがあります。
作業一式など曖昧な説明ではなく、分かりやすく細かな作業内容を確認できる見積書を提出してくれる業者を選びましょう。
複数の業者の見積もりと、見積もり作成時の対応も一緒に比較してください。
汚部屋の片付けをプロに依頼した時にかかる費用の相場
汚部屋片付けをプロに依頼する際に必要な費用の相場を紹介します。
- 1K/1R:3万円〜
- 1DK:5万円〜
- 1LDK:8万円〜
- 2DK:10万円〜
- 2LDK:14万円〜
また、不用品の量や部屋の階数によって、必要な費用が異なります。
正確な費用を知るためには、業者に部屋の状態を見せて見積書作成を依頼しましょう。
汚部屋にリバウンドしないためにできること
せっかく部屋をきれいにしても、これまで通りの生活を送っていると、部屋がリバウンドつまり再度汚部屋になってしまう可能性があるでしょう。
汚部屋のリバウンドを防ぐためには、次のポイントを意識してください。
ゴミ出しをサボらない
ゴミ出しをサボる・忘れると、すぐに部屋がゴミで溢れてしまいます。
特に暑い時期の生ゴミは、数時間で虫がわいてしまうのです。
また、不燃物は月に数回しか収集されない自治体も多いため、ゴミ収集日を覚えなければいけません。
スケジュール帳やスマホのアプリを活用して、ゴミ収集日を正確に記憶してください。
何かを収納から出したら仕舞う
収納から何かを取り出した時、そのまま元の位置に戻さずに放置していると、次第にテーブル・床・ソファーなどに物が散らかってしまいます。
また、家の中で物が無くなりやすくなり、何度も同じ物を購入してしまう可能性があるでしょう。
例えば、ハサミを文房具入れから取り出し使った後に、散らかったテーブルの上にハサミを置きっぱなしにしたとします。次のタイミングにハサミが見つからないと、2本目のハサミを買う羽目になるのです。
散らかった部屋では、こうして無駄な出費が増えていきます。
そもそも、収納から出した物を元の場所に戻す習慣がついていれば、部屋は散らからないのです。
収納先を考えてから物を購入する
収納に入りきれないほどの物がある状態では、部屋を片付けようと思ってもうまくいきません。
本来、自宅の収納に見合わない量の物を買うべきではないのです。
何か物を購入する時には、「購入後にどこに収納するか」を考える癖をつけましょう。
特に衣類など、すでに収納に十分な量の物がある場合には、「一着購入したら一着処分する」などのルールを決めておくのも良い方法です。
まとめ
汚部屋に暮らしていると、健康が害される・無駄なお金がかかってしまう可能性があります。
汚部屋を一人で一から片付けることは簡単ではありませんが、問題がある状態を放置してはいけません。
一人では掃除が難しいと感じる方は、清掃業者・不用品回収業者などプロに片付けを依頼すると良いでしょう。
一度部屋をリセットした状態で生活をスタートすれば、快適な生活を送れるようになります。