ゴキブリは戸建住宅からマンションまで、どのような住居にも発生します。
どんなにキレイに掃除していても、外部からの侵入により数匹程度見かけることもあります。
しかし、ゴミ屋敷になると大量発生するだけではなく、環境悪化により様々なリスクが発生する可能性があります。
ここでは、ゴミ屋敷にゴキブリが大量発生する原因や、ゴキブリ発生による健康リスク、駆除方法からゴキブリを大量発生させないための対処方法など解説します。
目次
ゴキブリの発生経路は大きく分けて2パターン
ゴキブリを大量発生させないためには、まずどのような場所や経路から発生するのか理解しておく必要があります。
具体的な発生経路は、大きく分けて2つのパターンがあります。
外部からの侵入
ゴキブリ発生要因の多くは、外部からの侵入によります。
ゴキブリは比較的暖かな環境を好むので、思いもよらない場所からの侵入などもあります。
主な侵入場所
主な侵入場所 | 侵入方法 |
---|---|
玄関や郵便受けの隙間 | 開けっぱなしにした玄関や、扉に常設してある郵便受けの隙間などからの侵入があります。 |
ベランダや雨戸 | ゴキブリは羽がある昆虫なので、外の樹木などから飛来します。 近隣に樹木がある場合には、窓を開けたままにしたり雨戸の隙間などからの侵入があります。 |
エアコン室外機のドレンホース | エアコン内部に発生する水を外部に排出するドレンホースの中を伝っての侵入があります。 |
換気扇や通気口 | 換気扇や通気口の開閉時や、わずかな隙間から侵入する事があります。 |
排水口や排水溝 | 汚水や生活排水を排出する排水管が詰まったり、不具合が発生して水が干上がった場合に侵入する事があります。 |
段ボールや輸送用資材 | 段ボール内のフルートなどの隙間に隠れており、室内に長時間放置することで侵入します。 |
ゴキブリは、わずか数ミリの隙間があれば侵入してくると言われています。
そのために、前述のような場所は定期的に掃除をしたり、隙間がある場合にはパテで埋めたりして侵入させない対策が必要になります。
住宅の中での繁殖
侵入したゴキブリは、部屋の中で繁殖するリスクがあります。
侵入したゴキブリが雄の場合には繁殖しませんが、雌がいる場合に繁殖して増えます。
外部からの侵入対策を施していても、既に内部にゴキブリがいる場合に自然繁殖します。
ゴミ屋敷にゴキブリが大量発生する原因とは
ゴミ屋敷では、ゴキブリをはじめとした害虫が大量に発生する事があります。
その原因には、ゴキブリの生態が大きく関係します。
ゴキブリの主食が豊富にある
ゴミ屋敷の中には、ご飯や弁当の他にお菓子の食べかすなどが多く散乱しているケースが多々あります。
このような食べ残しが、ゴキブリにとって良質なエサとなります。
食べ残し意外にも、紙や段ボール、時にはビニール袋などの有機的なものもエサとなる事があります。
ゴキブリは学習能力が非常に高いので、一度でも餌にありつくと何度も侵入したり仲間をよんで住み着きます。
身を守り隠れる場所が豊富
ゴキブリは、基本的に夜行性になるので昼間は物陰や狭く暗い場所に隠れています。
夜になると活発にエサを探し歩き回る特性があるので、ゴミ屋敷のような隠れる場所が豊富な場所はゴキブリにとって非常に快適な隠れ家となります。
一年中快適な環境が保たれている
一般的にゴキブリが好む環境は、温度が20℃〜30℃で湿度が60%以上と言われます。
この環境下では、ゴキブリの活動が活発になります。
ゴミ屋敷では、ゴミやものが大量にあるので温度が高くなりやすく、空気の流れもあまり良いとは言えない環境になるので、ゴキブリにとって快適な環境になります。
快適な環境を作り出すことで、ゴキブリは巣を作り更に数を増やします。
繁殖力が高い
ゴキブリは、1匹いると近くに100匹はいると言われる程に繁殖力が強いことで有名です。
家庭でよく見られるチャバネゴキブリやクロゴキブリなどは、1つの卵鞘(卵が収められた鞘)のなかに20個〜40個の卵を産みます。
1匹が生涯で産む卵を産む回数は、約15回~約20回程度と言われるので一度ゴキブリが住み着くと爆発的なスピードで増えていきます。
ゴキブリ発生による健康リスク
ゴキブリは害虫としても嫌われていますが、実際に人間にとっても様々なリスクを発生させる危険性があります。
病原菌や感染症を媒介する恐れがある
ゴキブリは生ゴミのある場所や、排水口、下水などの汚い場所を通り移動します。
これらを通ったり、このような場所にあるエサを食べることで様々な雑菌をまといます。
雑菌をまとったゴキブリが、家に出しっぱなしにしてあるご飯や食器などに接触することで雑菌を人間が口にしてしまう事があります。
ゴキブリが媒介する病原菌や感染症には、以下のようなものがあります。
菌の種類 | リスク内容 |
---|---|
サルモネラ菌 | 動物の消化器官に生息している腸内細菌で、中毒症状をもたらす。 下痢や発熱、嘔吐を発症し激しい腹痛を伴う。 ゴキブリの糞の中でも生息し感染源となる。 |
赤痢菌 | 大腸菌症の原因となる腸内細菌。 下痢、発熱、腹痛を伴う。 ゴキブリの糞の中でも生息し感染源となる。 |
O-157 | 腸管出血性大腸菌でベロ毒素を産生し食中毒を引き起こす。 嘔吐、発熱、激しい腹痛を伴う。 強い感染力があり、ゴキブリの媒介により発生のリスクあり。 |
ピロリ菌 | 胃もたれや吐き気、食欲不振などを発生させる。 ピロリ菌が原因として、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気に移行する恐れがある。 |
喘息やアレルギーの引き金になる恐れあり
ゴキブリは、ゴミの周りやカビの中などを構わず歩き回るので、前述のように菌などを撒き散らして歩き回ることになります。
また、ゴキブリの糞や死骸などが粉塵になり浮遊することで、アレルギーを引き起こす原因になります。
アレルギーには、皮膚の痒みやくしゃみを伴う鼻水などの症状が現れますが、これが原因にて喘息になることや喘息が悪化することもあります。
ペットが感染症になる
前述のように、ゴキブリは人体に有害な様々な菌を保有している可能性があります。
ペットの中でも特に猫などは、習性としてゴキブリを食べてしまう事があります。
赤痢菌などを保有したゴキブリを食べてしまった猫は、間接的に赤痢になる事が確認されており、猫を経由して人間にも感染するリスクがあるので十分に注意が必要です。
漏電や火災のリスクもある
ゴキブリは暗くて暖かい場所を好むので、冷蔵庫周辺やエアコンなどの中に入り込むこともあります。
有機物であればなんでもかじりついて食べ物とするので、電化製品のコードや内部配線などもかじることがあります。
これにより漏電などが発生して、火災が起きる事故などの事例もあります。
また、ゴミ屋敷などでは大量のゴキブリの死骸や糞が溜まる事があり、コンセント付近で誘発することによりトラッキング現象の原因になり、火災が起こることもあります。
ゴキブリによる精神的被害
ゴキブリは、その姿を見るだけで多くの人が嫌悪感をいだかせる生き物です。
そのために、1匹でも見つけてしまうと駆除するまで眠れない場合や、他にも複数匹いるのではないかと考え、夜も眠れなくなるなり精神的に参りストレスの原因となります。
ゴミ屋敷でのゴキブリ駆除方法
ゴミ屋敷で発生するゴキブリを駆除するには、各部屋に行うのではなく家全体をまとめて対策をすると効果的です。
具体的な駆除方法としては、以下のような方法を行います。
ゴミ屋敷の原因となるゴミの撤去
ゴキブリを駆除するには、まず巣にもなっている可能性が高いゴミを撤去する必要があります。
ゴミの処分は、各自治体のルールに従って分別を行い、ゴミの回収日を確認して処分します。
ゴミ屋敷では、想像よりも多くのゴミが発生している事があるので、各自治体で決められたゴミ捨て場が溢れかえるような事がある場合には、迷惑になるので専門の処分業者を利用するとよいでしょう。
ゴキブリを駆除する
実際にゴキブリを駆除する際には、事前にゴミ処分を行ってから進めないと駆除剤が有効的に使用できない可能性があるので注意しましょう。
ゴキブリの駆除方法としては、忌避剤、毒エサ、粘着シートなど様々な方法がありますが、一般的には燻煙剤タイプの殺虫剤を利用して駆除する事が多く、これを利用することで隅々まで殺虫成分を届ける事ができるので効果的です。
掃除と消毒作業
ゴミ処理とゴキブリの駆除が終わったら、掃除と消毒作業を行います。
ゴキブリは、仲間が出す糞尿に含まれている集合フェロモンに反応して集まる習性があるので、ゴミ処理後の掃除と消毒作業を怠ると再びゴキブリを集めてしまうことに繋がります。
新たなゴキブリを発生させないために、部屋全体を綺麗に掃除して消毒しましょう。
ゴキブリの卵の駆除も忘れずに行う
壁などには、ゴキブリの卵が付着している事があります。
せっかく駆除しても、卵を除去し忘れてしまった場合には、再びゴキブリが繁殖することになります。
通常の掃除や消毒作業で殆どの卵を除去することができますが、ゴミ屋敷の状態が長年続いている場合には、壁などが劣化して穴が開いたりしていることもあります。
このようなケースでは、壁を剥がして中まで手入れする必要があるので、駆除する際のメンテナンス費用的に高額になることもあります。
ゴキブリを大量発生させないための対処方法
ゴキブリを完全に駆除しても、家の中が不要なものだらけのゴミ屋敷の場合にはすぐにゴキブリが増えてしまいます。
ゴキブリを再び大量発生させないためには、次のような対処方法を行いましょう。
キッチン周辺は念入りに清潔に
ゴキブリが最も住みやすい環境が整っている場所はキッチンとされます。
キッチンには食品や油汚れ、水などもあるのでゴキブリが欲している要素を十分に満たすので呼び込み易い環境になります。
そのため、ゴミなどが発生したらすぐに処分することや、汚れたらその都度キレイに掃除するクセをつけると良いでしょう。
ゴキブリの侵入経路を無くす
ゴキブリは、基本的に外部から侵入してきます。
侵入経路を断つことでゴキブリが新たに発生しない状況を維持する事ができます。
ベランダに忌避剤を仕掛けたり、エアコンのドレンホースに防虫ネットをつけるなど対策を施すことで侵入させない対策をすることができます。
ゴミやエサを無くす
ゴミや食べかすなどがゴキブリの巣やエサになります。
ゴミ屋敷にならないように、自治体で決められた曜日に定期的にゴミ処理を行い、ゴキブリが住みつけない環境づくりが大切です。
定期的に部屋を消毒する
ゴキブリは仲間意識の高い害虫なので、糞などにフェロモン物質を出して集まり合います。
一度コロニーを作ってしまうと、内部で繁殖すると共に外部からも次々に侵入して増えていきます。
その臭いを消すためにも、アルコールや消毒用のエタノールを使用して定期的な拭き掃除をすると効果的です。
ゴキブリが撒き散らした有害な菌なども除去できるので、衛生面的にも非常に効果的な方法になります。
段ボールなどからの外部侵入を防ぐ
ゴキブリの外部侵入対策を施しても、段ボールなどを経由して持ち込まれたゴキブリや卵は防ぐことが困難です。
輸送に利用された段ボールなどは、家に放置しておくのではなく早めに処分をすると安心です。
従来よりもネットショッピングで買い物をする事が多くなっていますが、ゴキブリ対策の面とゴミ屋敷にしないためにも定期的に処分することを心掛けましょう。
ゴミ屋敷からの脱却が一番の近道
ゴミ屋敷の環境が、一番ゴキブリを大量発生させる要因になります。
一度大量発生させてしまうと、ご自身で根絶させるのは多くの時間と労力がかかります。
ゴミ屋敷にしない事が大切ですが、収集できない状態になってしまった際にはゴミ屋敷片付けの専門の業者に依頼するとよいでしょう。
ゴミ屋敷専門の片付け業者である「片付けコミット」では、害虫の駆除をはじめとして不用品の買取もおこなっています。
買取金額を利用して、ゴミ処理費用を浮かせることもできるので費用面で悩まれている方も安心です。
まとめ
ゴミ屋敷にゴキブリが大量発生する原因や、ゴキブリ発生による健康リスク、駆除方法からゴキブリを大量発生させないための対処方法など解説しました。
ゴミ屋敷は、ゴキブリが大量に繁殖するための場所として最適な環境になります。
そして、ゴキブリが大量に発生することで前述のように様々なリスクが発生します。
健康被害だけではなく、火災などのリスクもあるので近隣住民の安心を阻害する要因にもなります。
一度ゴミ屋敷になってしまうと、ご自身では対応が難しい状況になる事が多いので、そのような場合にはゴミ屋敷専門の業者に依頼してみてはいかがでしょうか。